発売後に即重版決定。タイトルが示すとおり、ひとりのおじさん(純一郎さん)が喫茶店を巡りながら自分の人生を振り返り、これからを見いだすストーリー。大人気作家、原田ひ香先生の新作を複数回に分けて感想等を紹介します

本の概要

●作者:原田ひ香
●出版社:小学館
●定価:1,650円(10%税込)
※定価については、単行本なら1,650円。Amazonのkindle版(電子書籍)の場合は1,485円(2024年2月時点で)
●発売日:2023年10月12日
●ページ数:258ページ

購読のきっかけ

2024年1月9日、原田ひ香先生ご自身のX(旧Twitter)にて『喫茶おじさん』の重版5刷にいたったとのポストを閲覧。発売から約3ヶ月が経過してもなお、続く人気と勢いに惹かれ、ついに手を取りました。また書店で目にした時に本の装丁は次の2点が良くて、読むのが楽しみでした
 (1)席についてコーヒーをすするおじさんの、穏やかな表情が可愛らしい
 (2)帯にある「人生はままならないが、コーヒーは今日もうまい」という意味深な台詞

始まりの第1章
 ~主人公「純一郎」の無趣味ぶりに共感~

誰にも邪魔されないで、打ち込めるような趣味は無い。というのが、世の中のサラリーマンの大半を占めるのでは無いだろうか?人に堂々と語れるような趣味があるかどうか、私でも躊躇するかもしれない。無趣味で悩める身としては、喫茶店巡りはコスパも良く、手軽に楽しめられそうだ

~喫茶店で軽食をとる楽しみに気付く~

本作を手に取るまで、私は喫茶店では専らコーヒー(または紅茶)を飲む程度だった。そんな私が、第1章からすぐに始まる”純一郎の食リポ”に魅了される。できたての感じや歯ごたえ、食事の香りをリアルかつ和やかに表現してくれる。それが原田ひ香先生の魅力だとつくづく思う。気がつくと、いったん本を閉じてコーヒーを煎れ、アイスクリームを用意する私がいた。

~オンとオフの切替えが大切~

美味しいコーヒーと食事でホッと一息つけることって幸せだと思う。まず美味しく食事をとれること。コーヒーの香りにリラックスできること。休憩時間を確保できること。現実は課題が山積みだけれども、小さなことで良いから幸せを感じられる時間を意識して作りたい

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